データの保存-クラウドを選んだ理由

構造設計の業務の大半はPCを用いて行われています。
ゆえにデータが失われることは絶対に避けなければなりません。

そこで当然バックアップを取るということになるわけですが、そのバックアップをどう取るか?というのが今回の話題です。

いままでの一般的なバックアップは外付けHDDへの保存でした。
一方近年、インターネット上のストレージ(いわゆるクラウド)のサービスが充実してきており、バックアップの選択肢として考えられるようになりました。

結論から言うと、私はクラウドでデータのバックアップをとることにしました。

 

クラウドサービスとは何か

クラウドサービスは「サービス提供者のサーバー上のデータとソフトウェア」をいろいろな場所(PC・スマホetc)から操作して受けられるサービスのことを言います。

例えばgmailなどのwebメールは、ネットのできる端末とwebブラウザさえあればどこからでも同一のメールアドレスから送受信できるためクラウドサービスになります。
今のところグループウェアや営業管理・顧客管理などBtoB分野のサービスが多いです。
私もこちらの記事で書いたようにクラウドの会計ソフトを使用しています。

 

クラウドストレージの利点

クラウドストレージのHDDに対する利点は次のような点です。

  • 複数の端末からどこからでもアクセスが可能
    出先からどのファイルでも見れるというのは利点。
  • 故障のリスク・寿命が無い(HDDの寿命は4~5年程度と言われている)
    過去のファイルを4~5年ごとに新HDDに以降するのは手間
  • ウイルスに対してセキュリティが高い
    自分でやるより専門家であるサービス提供会社の方がセキュリティに詳しい。
    PC本体がウイルスに感染 → 接続されている外付けHDDも感染 ということが無い。
  • URLを教えることで特定のフォルダ・ファイルを他者と共有可能
    firestorageや宅ファイル便などの利用が不要。

 

クラウドストレージの欠点

クラウドストレージには次のような欠点もあります。

  • アカウント名・パスワードが漏えいする可能性がある
    全てのデータが盗まれる、破壊される可能性があります。HDDは実際に泥棒に入られない限りその心配はありません。
  • 毎月継続的にコストがかかる
    無料サービスもありますが、バックアップを目的とする場合は容量が不十分です。
  • サービスが終了する可能性がある
    実際終了したサービスは多いです。
  • 転送速度が遅い
  • 1ファイルあたりの容量に制限がある場合がある

これらのデメリットを考えてもメリットのほうが大きく、デメリットの多くは今後のストレージ容量の増加や通信速度の増加により解決していくであろうと考えたため、クラウドストレージでのバックアップを基本とすることにしました。

 

どのクラウドストレージサービスが良いのか

HDD技術の進歩と各社の競争により、クラウドサービスの価格に対する容量は比較的短スパンで増加していっています。
価格も重要ですがサービス終了の可能性がなるべく少ない大手を選ぶほうがいいと思います。

Microsoft OneDriveGoogle driveboxdropboxの4つが価格・信頼性の点で良いようです。

いずれのサービスも10GB前後(執筆時)の無料プランがあるので、とりあえず気になるサービスは登録して使ってみましょう。

 

建築士法の図書の保存における注意点

建築士法で建築士事務所の開設者は15年(長い!)の図書と帳簿の保存を義務付けられています。

「これをクラウドで(HDDでも)データ保存しておけば、分厚い構造計算書の置き場所に困らない、便利!」と思うかもしれませんが、
図書は電子保存は認められていません。(帳簿は電子保存が認められています。)

ただし、建築行政情報センターの「改正建築基準法Q&A検索システム」確認・検査・適合性判定の運用等に関するQ&A 質疑番号108より印刷後の設計図書をスキャンしたPDFファイルによる保存は可能とのことです。